役を全部覚える必要はない
麻雀の役は、一般的なルールで40種類前後あります。初心者向けの本や一覧表を開くと、この40種類が並んでいて、それだけで気持ちが折れてしまう人が少なくありません。
ただ実際の対局で出てくる役は、ごく一部に偏っています。国士無双や四暗刻のような役満は、名前を知っていれば十分で、覚えなくても対局は成立します。逆に、これから紹介する9つを覚えていないと、手が完成しているのにあがれない場面が繰り返し起きます。
麻雀は、14枚の形が揃っただけではあがれません。形が揃ったうえで、役が1つ以上ついていることが条件です。この「役がない」状態を避けるために、まず出現頻度の高い9つから覚えます。
覚える前に押さえる2つの前提
役の説明に入る前に、これだけは先に理解しておくと格段に楽になります。
門前とは、一度も鳴いていない状態
ポン、チー、明カンをせず、自分の手牌だけで進めている状態を門前(メンゼン)といいます。役の中には門前でなければ成立しないものがあり、これから紹介する9つのうち4つがそれに当たります。鳴くと消える役がある、という点は最初に押さえてください。
翻(ハン)は点数の単位
役にはそれぞれ翻数がついていて、この数が大きいほど点数が高くなります。1翻の役を1つだけであがることもできますし、複数の役が重なれば翻数は合算されます。「鳴くと1翻下がる」という表記は、ポンやチーをした場合に翻数が1つ減るという意味です。
まず覚える9つの役
出現頻度が高く、狙って作りやすい順に並べています。
1. リーチ(1翻・門前のみ)
あと1枚であがれる状態(テンパイ)になったとき、1000点を場に出しながら「リーチ」と宣言する役です。宣言するだけで成立するため、初心者がもっとも使う役になります。
注意点は、リーチした後は手牌を変えられないことです。ツモってきた牌はそのまま捨てる必要があります。また、あがれずに終わると宣言に使った1000点は戻ってきません。とはいえ、役がなくてあがれない状況を確実に避けられるため、迷ったらリーチという判断は初心者のうちは有効です。
2. 役牌(1翻・鳴いてもよい)
白・發・中の三元牌、自分の風牌(東家なら東)、その局の場風牌(東場なら東)のいずれかを3枚そろえると成立します。
この役の重要な点は、鳴いても消えないことです。中が2枚あるところに3枚目が出たらポンして、そのまま手を進められます。門前にこだわらず早くあがりたい場面で使える、数少ない選択肢になります。
3. タンヤオ(1翻)
手牌をすべて2から8の数牌だけで構成する役です。1と9、そして字牌(東南西北白發中)を一切使いません。
配牌の時点で真ん中の数牌が多ければ、そのまま狙えます。端の牌と字牌を捨てていくだけで形になるため、方針が立てやすいのが利点です。ルールによっては鳴いても成立します(喰いタン)。対局前に、鳴いてもよいルールかを確認しておいてください。
4. ツモ(1翻・門前のみ)
正式には門前清自摸和(メンゼンツモ)といいます。鳴いていない状態で、自分がツモってきた牌であがると自動的につきます。
狙う役ではなく、結果としてつく役です。リーチと重なることが多く、「リーチ+ツモ」で2翻になります。覚えることは「門前でツモあがりすると1翻増える」という一点だけです。
5. ピンフ(1翻・門前のみ)
条件がやや多い役ですが、リーチと重なりやすいため優先度は高めです。次の4条件をすべて満たすと成立します。
- 門前であること
- 4つの面子がすべて順子(123のような連続した3枚)であること
- 雀頭(対子2枚)が役牌でないこと
- 待ちが両面待ち(たとえば45を持っていて3か6を待つ形)であること
難しく見えますが、実際は「鳴かずに、順子だけで、両面で待つ」と覚えれば足ります。刻子(同じ牌3枚)が1つでもあると成立しません。
6. 一盃口(イーペーコー・1翻・門前のみ)
まったく同じ順子を2組そろえると成立します。たとえば「三萬四萬五萬」と「三萬四萬五萬」の2組です。
狙って作る役ではありませんが、同じ数牌が重なって入ってきたときに気づけると1翻得します。ピンフやタンヤオと重なりやすい役でもあります。
7. 三色同順(サンショクドウジュン・門前2翻/鳴き1翻)
萬子・筒子・索子の3種類で、同じ数字の並びの順子をそろえる役です。たとえば「四五六萬」「四五六筒」「四五六索」の3組です。
ここから翻数が2に上がり、点数がはっきり伸びます。配牌や序盤で同じ数字帯が2種類そろっていたら、3種類目を意識してみてください。鳴いても1翻残るため、狙いやすい高めの役です。
8. 一気通貫(イッキツウカン・門前2翻/鳴き1翻)
同じ種類の数牌で、123・456・789と1から9まで並べる役です。萬子なら一萬から九萬までを、3つの順子として使い切ります。
1種類の数牌が偏って集まったときに視野に入ります。ただし端の1と9を使うため、タンヤオとは両立しません。どちらを狙うかは、序盤の手牌を見て決めることになります。
9. 七対子(チートイツ・2翻・門前のみ)
面子を作らず、異なる7種類の対子(同じ牌2枚)だけで手を完成させる役です。通常の「4面子1雀頭」とは形そのものが違う、例外的な役になります。
対子が5つ、6つとできてしまい、面子に発展しない手のときに切り替え先になります。同じ牌4枚を2対子として数えることはできない点だけ注意してください。
覚える順番と、実戦での使い分け
9つを一度に覚えようとせず、次の順番で段階的に増やしてください。
| 段階 | 覚える役 | この段階でできること |
|---|---|---|
| 第1段階 | リーチ、役牌、ツモ | 役がなくてあがれない状況を避けられる |
| 第2段階 | タンヤオ、ピンフ | 序盤から手の方針を決められる |
| 第3段階 | 三色同順、一気通貫、七対子、一盃口 | 点数を意識した手作りができる |
第1段階の3つだけでも、対局は成立します。実際、初心者のうちのあがりの大半はリーチと役牌です。まずこの3つを確実にして、余裕が出てから第2段階に進んでください。
実戦での判断は単純です。配牌を見て、真ん中の数牌が多ければタンヤオ、役牌の対子があれば役牌、どちらでもなければ順子を伸ばしてリーチを目指す。この3択で序盤の方針が決まります。
初心者がつまずきやすい3つの誤解
形は揃っているのにあがれない
もっとも多いつまずきです。4面子1雀頭が完成していても、役が1つもなければあがれません。鳴いて手を進めた結果、役がなくなっているケースが典型です。鳴く前に「この手には何の役が残るか」を確認する習慣をつけてください。
鳴くと消える役を鳴いてしまう
リーチ、ツモ、ピンフ、一盃口、七対子は門前でしか成立しません。この5つを狙っているときにポンやチーをすると、その時点で役が消えます。鳴いても残る役は、役牌、タンヤオ(ルールによる)、三色同順、一気通貫です。
役を覚えれば強くなると思ってしまう
役は必要条件であって、強さの中心ではありません。何を捨てるか、いつ降りるか、といった判断のほうが結果に効きます。役はあくまで、あがれる状態を作るための最低限の知識だと考えてください。
覚えた役を実際に試す
役は読んで覚えるより、対局の中で「今この形は何の役になるか」を考えたほうが定着します。ただ、いきなり人と打つのは気が引ける、という段階の人も多いはずです。
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まとめ
麻雀の役は40種類前後ありますが、実戦で必要になるのは一部です。まずリーチ、役牌、ツモの3つを覚えれば、役がなくてあがれない状況はほぼ避けられます。
そこにタンヤオとピンフを足すと、配牌を見た時点で手の方針が立つようになります。三色同順、一気通貫、七対子、一盃口まで覚えれば、点数を意識した打ち方に進めます。
なお、役の名前や翻数、鳴いたときの扱いは、遊ぶ場のルールによって細部が異なることがあります。特にタンヤオを鳴いてよいかは分かれるところなので、対局前に確認しておくと安心です。